漢方は、自覚症状つまり患者さんの訴えを重視し、漢方薬を選び治療をおこないます。 症状は十人十色、個性や特徴があって当たり前です。是非当店までご相談ください。
- 不眠と漢方
- 夜ぐっすりと眠ることは健康の基本です。 しかし、寝つきが悪くてなかなか眠れない・睡眠が浅くてたびたび目が覚めてしまう・夢ばかり見て寝た気がしない・睡眠時間が短くて朝早く目覚めてしまう・時計を見て焦って何度も寝返りを打つ・終夜一睡も出来ない…というように、不眠に悩む方は多いようです。 急性の不眠の場合は、悶々として夜通し眠れない、胸が暑苦しい、焦燥、動悸、口の苦み、喉の渇きなど、漢方で言う「心火」「肝火」が原因となることが多いため、それを鎮火・清熱し、不眠を改善してまいります。 対して慢性不眠の場合は、カラダの内部の状態が失調し不安定を起こしているため、急性不眠の治療のようにスムーズにはいかないこともあります。精神的ストレスや緊張が続き、肝気の疏泄失調に発展した「肝鬱不眠」、また慢性病や長引くストレスで心陰が不足を起こした「心陰虚不眠」など、複雑な分、治療に根気が必要です。
- ひざの痛みと漢方
- ひざの痛みの多くは、老化(肝腎の虚損)、過労、肥満などと深く関わり、さらに年齢に関係無く、気候の変化・外邪(風寒湿)の侵入などが痛みを誘発する原因とされています。痛みが長引き、原因が除かれないまま時間が経過してしまうと、カラダの奥深くに入り込み、安静時にも痛みが起こるようになったり、曲げ伸ばしが困難となり、膝の関節が変形したりすることもあります。 漢方では「通ぜざれば則ち痛む(血行が著しく停滞していれば痛みが起こる)」また「腎は骨を主り、肝は筋を主る」とも言い、中年以降は肝腎が衰え、筋骨も弱り、肌肉や経絡に栄養が与えられないようになり、気血の運行が阻害されてしまい、関節の痛みや腫脹をさらに悪化させてしまうことにもなります。 老化は足から!ひざの痛みは早めにお手当し、元気を取り戻しましょう。
- 不妊と漢方
- 通常の夫婦生活を、一定期間以上(日本では2年、世界的には1年を目安としています)営んでいても妊娠しにくい場合を、「不妊症」と呼んでおり、現在10組に1組(計140万組)の不妊カップルが存在すると言われます。 現代人(男女共)に不妊が急増した背景には、環境・仕事疲れ・夜型生活による睡眠不足・冷え・ストレスなどが関わっており、徐々に「妊娠体質」から「不妊体質」へ変化したと思われます。 漢方では、部分部分のトラブルも改善しつつ、「妊娠」という、受精から出産までの一連のネットワークを、健全かつ安心して継続できるように、カラダづくりをおこないます。もちろん漢方の不妊治療は、病院の不妊治療と並行しておこなうことが可能です。
- アトピーと漢方
- アトピー性皮膚炎とは、先天性の過敏症の一種で、アレルギー反応と関連のある湿疹のことです。気管支喘息や鼻炎など、他のアレルギー疾患を併発することも多く、また乳児期・幼児期・思春期〜中高年期までの大人アトピーまで、幅広い患者層であることも特徴の一つです。 漢方では、五臓におけるアトピーの原因を、「脾」「肺」「腎」だとしており、また体質のベースには、営気(カラダの内部にある気)と、衛気(皮膚表面に存在する気)の機能低下(営衛失調)や、素体の先天(遺伝などで受け継ぐもの)不足、後天(飲食などで成長と共に身に付く栄養)失養があるために発症するのだと考えます。 急盛期の漢方治療は、「諸痛痒瘡 皆火に属す(多くの痛みや痒みのある皮膚病は、一般的に火証による)」とし、過度な「熱」「湿」を取り除き、痒み・熱感・分泌を鎮め、掻破の制御を第一に考えます。 症状が落ち着き緩和期に入ったら、「脾」「肺」「腎」に力を補い、営気衛気を高めて、免疫力・防衛力を立て直していき、悪化を未然に予防します。
- 冷え性と漢方
- 「冷え性」は、女性のお悩みで最も多い自覚症状といえます。近年では、生活や食べ物の変化からか、男性の冷え性も増えつつあります。 漢方では、カラダの中で「陽気」がくまなく巡っていて全身を温めていると考えています。そこに「冷え」が生じる理由のひとつは、冷気や湿気、ストレスや「血於」のために、循環がうまくいかなくなってしまうことです。湿気の多い冷たい環境下で仕事に従事する方に多くみられ、寒冷や湿気が体内へ侵入してしまうのです。また季節的な寒冷や、飲食の習慣(冷物を好む)・不摂生などの刺激で血脈が凝滞するという場合も多いようです。 もうひとつは不足によるものです。これは漢方では「陽虚」といって、虚弱さや慢性病、老化などにより陽気が衰え、カラダを温煦(おんく:血行や温める能力のこと)することが出来ない体質になっているということです。 漢方は冷え性改善を最も得意としており、カラダに活力や栄養を補いながら血行を促進します。
- 夜尿症と漢方
- 乳幼児期を過ぎると、膀胱やホルモン機能が徐々に発達し、自分の意思で排尿をコントロールできるようになるものですが、5~6歳になってもおねしょをすることを「夜尿症」と言います。「夜尿症」の漢方治療は、おねしょの仕方・発育状況・お子さんの性格などからタイプを判別し、自律神経の緊張や膀胱筋肉のバランスの乱れなどを中心に調整していきます。 寝るとすぐ漏らし、一晩に何度も失敗、昼間も頻尿気味で集中力のなく、イライラ神経質タイプという、「ストレス性夜尿症」。 また、よく腹痛が起き、おねしょの量も多い「胃腸虚弱型夜尿症」。 それから上記症状が混じっている、ストレス+胃腸虚弱という「混合型夜尿症」。そして日中でもパンツを濡らしていたり外陰部が湿っていたりする「発育不全型夜尿症」・・・というように、おねしょのタイプは様々ですから、是非諦めずにご相談下さい。
- 肥満と漢方
- ここ数年は、「メタボリック」などという新しい疾患名までが登場しました。 肥満は、腰痛などの関節痛を悪化させたり、また生活習慣病の危険因子にもなってしまうことがあります。また太っていると、動作もつらく、倦怠感や重だるさ・息が切れやすい・疲れやすい…などの症状も起こりやすくなります。 漢方では太る原因は、「脾胃」の働きに原因があるとしています。通常は多少食欲が旺盛でも、代謝が十分であれば太ったりしません。しかし脾胃の働きが悪いと、代謝しきれないエネルギーが蓄積し体内に残ってしまうのです。 その残留物質を漢方では「痰湿」と呼び、即ちコレステロールや中性脂肪などに相当する概念としています。 さらに食べ方の性格からも、、食べて太る(胃熱・痰湿内蘊)、ストレスからの過食(肝鬱気滞)、食べてないのに太る(気虚痰湿)など、漢方では様々なタイプに合わせてお薬を選べますよ。
- めまいと漢方
- 「めまい」は、とかく不安で不快なものです。症状も、吐き気を伴うような激しい回転性の重症のものから、立ちくらみのような軽症のものまで、様々です。 漢方では、立っていられないほどの激しいめまいは、「虚実」のうち「実のめまい」であると考え、その邪(原因)を取り除く治療をします。このめまいは、頭痛や吐き気、耳鳴りを伴うことも多いようです。 対して「虚のめまい」は、「清陽不昇」と言い、疲労やストレスから頭部への栄養や循環が十分に行かなくなったために生じたと考え、「益気・養血」「補腎」などの治療をおこないます。こちらの場合は、目のかすみや物忘れ、易疲労なども見られることが多いようです。
- むくみと漢方
- 「むくみ」とは、体内に水液が停留し、筋層や皮下にあふれ出て、顔面、まぶた、手、足など、カラダのいたるところに出現します。自覚的なもの、他覚的なもの、また局所的な場合から全身性のものまで様々です。 原因は、内臓から来るもの、リンパ性のもの、薬剤によるもの、また原因不明のものなど、その背景や症状の程度、急性(風水)なのか慢性(内湿)なのか等により、其々に漢方処方があります。 私達のカラダの水分代謝には、肺(水の上源)、脾胃の運化、腎の蒸騰気化、肝の疏泄(巡り)、そして水液の通路である三焦、これらすべてのバランスが関わっていますから、その歪みが起きている箇所を探せば不要なものは排出しやすくなります。
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- メンタル疾患と漢方
- 現代人は様々なストレスに日々さらされています。「病は『氣』から」と申しますが、病気というものは、何らかのストレスの影響を受け、経絡を通る氣の流れを停滞させてしまうことで発症することが多いと言われます。 落ち込む・何もする気が湧かない・緊張が続く・イライラする・眠れない・動悸を感じる・朝起きがツライ・お腹にガスが溜まる・何となく息苦しく溜息が出るなど症状も多岐にわたり、漢方的にも「気」の運行バランスの崩れには、「気虚」「気滞」「気逆」「気鬱」「気陥」などがあります。 さらに失調の状態なども判断しながら、「気機調暢(緊張した神経をほぐし、安らいだ気持ち)」へ導くお手当てをします。